捨てられた椅子を見つけては、それに座り、写真を撮る。
2017年6月1日に始めたこの活動は、2025年1月11日に3000脚目を迎えました。
今回の展示では、これまでに撮りためた全ての写真を公開します。
7年7ヶ月にわたる、捨てられた椅子との出会いの記録。
ぜひ、ご覧ください。
ここが自分の居場所なのかもしれない。
捨てられた椅子に座り始め、100脚を超えた頃から、そんなことを考えるようになった。
最初は単なる戯れだった。
街中のふとした違和感に惹かれ、何気なく座り続けているうちに、捨てられた椅子とのチャンネルが合っていく。
気づけば、椅子と自分が惹かれ合っていた。
そして──。
捨てられた椅子に座ると、あっちの世界に引き込まれそうな力があるのを感じる。
あっちとは、こっちではない世界。
捨てられた椅子は、その境界線上にある。
座っている間はかろうじてこっち側。しかし、そこは簡単にあっちへ渡れてしまう魔境でもある。
捨てられた椅子に座るということ。
それは、あっちの世界に迷い込まないよう、門番を演じること。
こっちの世界に自分をとどめる、最後の砦。
だから、捨てられた椅子の上こそ、
自分の居場所なのかもしれないのだ。
──そして。
この行為は、ただ捨てられた椅子に座ること以上の意味を持つ。
それは、都市の片隅に埋もれた存在に意識を向け、居場所とは何かを問い直す行為でもある。
捨てられた椅子は、私たちの社会が見落としているものの象徴だ。
#捨てられた椅子 #座る #街 #路上 #chair #abandoned #abandonded_chairs
3000脚目の写真を、これまでに座ったすべての写真でモザイクアートに仕上げました。
約8年間の活動が詰まったこの1枚も、
今回の展示で再公開します。
2024年のまとめ
2023年のまとめ
2025年5月31日(土)〜6月6日(金)
11時〜19時半(最終日は16時まで)
リアムギャラリー
東京都渋谷区神泉町3-4 ウェルズ渋谷101
TEL 03.3464.5455